タイ税務改正動向:普通預金利息収入に対する個人所得税免除

2019年4月、歳入局より個人の普通預金利息収入に対する所得税免除の手続き・要件を定めた所得税通達No.344が発表されました。

概要は以下の通りです。

  • 適用要件
    • 年間の普通預金利息の合計がTHB 20,000を超えないこと
    • 所得税免除を適用する個人の氏名及び個人税務IDは、普通預金口座に登録された
      氏名及び個人税務IDと一致すること
    • 銀行が税務署に対して個人及び利息情報を通知し、また将来の税務調査に備えて
      記録を保持することに関し、個人より銀行が指定書式による同意書を入手すること

 上記条件を満たすことにより、個人は所得税申告において、利息収入を課税所得から除外できます。また銀行は、利息支払いにおいて源泉税控除をする必要がありません。

 もし、上記条件を満たさない場合、通常通り個人所得税の課税対象となり、銀行は利息の支払時に15%の源泉税控除を行い、税務署への源泉税申告にて納税します。銀行がこれを怠った場合、源泉税の申告納付漏れとして、ペナルティーの対象となり、また個人も所得税申告漏れのリスクがあります。

 銀行は、上記同意書を取得した後に、税務当局のIT部門へ指定の方法によりWebサイト経由で電子的に報告することが必要です。

上記の報告の期限は以下の通りです。

  • 上半期に支払われるべき利息で5/15までに計算が終わっている場合・・5/20迄
  • 年内に支払われるべき利息で11/15までに計算が終わっている場合・・11/20迄
  • 6/30までに支払われた利息・・7/31迄
  • 12/31までに支払われた利息・・翌年の1/31迄

 本通達によれば、預金利息の免税を受ける個人は2019/5/15までに銀行へ同意書を提出 する必要があります。しかしながら提出期限が短いため、歳入局は銀行協会との会合を経て、歳入局より期限の延長等の納税者の負担を軽減する措置が発表される見込みです。

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 (2020年5月作成)

 

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