タイ税務改正動向: 電子文書に対する印紙税納付

インターネットや電子商取引の拡大に伴い、ビジネスにおいてもいままでの紙ベースから電子文書にて合意や意思表示を行うことが一般化しつつあります。それら電子文書に対する印紙税納付義務については、税法での明示はされていませんでしたが、2019年6月と7月に歳入局は、一定の電子文書(タイ電子取引法に定めに従い当事者が電子上の方法で署名を行った電子データ)に対する印紙税の納付義務及び納税方法を定めた2つの印紙税通達(Director-General on Stamp Duty No.58、No.59)を発行しました。両通達は2019年 7月1日より適用されております。

概要は以下の通りです。

1)   以下の文書を電子文書形式にて作成(電子署名等で合意や意思表示が確定する状態)した場合についても、印紙税の納税義務が発生します。

  • 業務委託契約書
  • ローン契約書又は当座借越契約書
  • 委任状(株主総会への出席委任状含む)
  • 保証契約

2)   上記1)の電子文書に対する印紙税納付方法は以下とおりです。

 対象文書が有効になる前または有効になった後15日以内に、下記のいずれかのプログラムを経由して印紙税納税申告書(Form Or.Sor.9)を提出します。

  • 歳入局ウェブサイト  (www.rd.go.th)
  • 歳入局API(アプリケーションプログラミングインターフェース)

その後申告書提出時に発行される納税番号を参照してインターネットバンキングにて納税することが求められます。納税後、利用したプログラムより領収書が発行されます。

 なお、経過措置として、2019年7月1日から2020年12月31日に作成される電子文書に限り、地方歳入局の窓口にて現金で納付ことが認められます。

 他のニュースレターはこちらからご覧いただけます

 (2019年8月作成)

免責事項

本記事は、作成日時点でのタイの法律等改正動向や一般的な解釈に関する情報提供を目的としております。内容については、正確性を期しておりますが、正確性を保証するものではなく、また作成後の法律改正等により最新の情報でない場合もあります。本記事の利用は、利用者の自身の判断責任となり、利用により生じたいかなるトラブルおよび損失、損害に対してMazarsは一切責任を負いません。個別の具体的な案件を進める場合には、事前に専門家へご相談頂きます様、お願い申し上げます。