税務論点解説: 雇用終了時の従業員への各種支払いに対する所得税取り扱い

従業員の雇用終了の際には、労働法や雇用契約に基づき様々な項目の支払いが発生します。例えば、退職金、労働法に基づく法定解雇補償金、任意解雇補償金、プロビデントファンドの払戻、未消化の有給休暇買取、解雇予告手当等があります。
これらの支払いに際して、企業は所得税法に従い所得税を源泉控除する必要がありますが、以下の項目については、通常の給与手当と異なる取扱・優遇措置が適用されます。

  • 法定解雇補償金

 30万バーツまたは給与10ヶ月分と同額のいずれか少ない方まで所得税が免税されます。なお、従業員の都合による自主退職の場合は法定解雇補償金の支給対象外となることから、この特例の適用はありません。

  • 一括受取りに対する特別控除

 自己都合又は会社都合を問わず、勤続年数5年以上の従業員が雇用終了に際して解雇補償金、退職金、プロビデントファンドの払戻等の支払いを一括で受ける場合、一括受取金額の内以下の部分について所得税が免税されます。

① 7千バーツ×勤続年数(一括受取の金額を上限とする)

② ①を超える金額の50%

 また、①②を控除した残りの金額には以下の通常の給与とは異なる累進税率が適用されます。

一括受取額

税率

~ 300,000

5%

300,001 – 500,000

10%

500,001 – 750,000

15%

750,001 – 1,000,000

20%

1,000,001 – 2,000,000

25%

2,000,001 – 5,000,000

30%

5,000,000 ~

35%

   さらに、従業員はこの一括受取での収入を個人所得税確定申告書(PND.91)に含めるか(総合課税)、または含めずに源泉された金額を一括受取に係る最終所得税額とする(分離課税)か、選択することが出来ます。分離課税を選択した場合は個人所得税確定申告書に一括受取に関する源泉徴収票の添付が必要になります。

   なお、「一括受取りに対する特別控除」は雇用契約終了を起因とする支給額のみに適用され、終了日までの通常の給与部分は、同時受取の場合でも適用範囲外となりますのでご留意ください。

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 (2019年12月作成)

 

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