改正動向:相続税・贈与税について

2014年11月18日、内閣は相続税・贈与税に関する法案の素案を大筋承認しました。同法素案は今後国家立法議会に提出され、審議、承認を待つことになります。本件に関し、プラユット首相は、同法についての詳細については未だ未確定であること、同法は全ての人々に対して公平である旨発表しています。

タイ政府の相続税・贈与税の導入目的は、高所得者・低所得者間の不平等感の是正にあり、大幅な税収の増額にはないとされています。これを反映して、例えば低所得者に発生した相続(例:米作農地の相続)については相続税が免除される予定とされています。

また、同法が施行されるまで6カ月かかる見込みとされており、この期間に同法の詳細の確定、内容の周知が図られる予定です。

相続税は5,000万バーツを超える『子孫に対する』相続資産に課され、『配偶者に対する』相続資産には課税されないとされる予定です。また、血縁関係のあるものが相続を受けた資産に対する税率は10%とし、それ以外のものが受けた資産に対してはその価値について個人所得税(税率5%~35%)の対象とする見込みです。

贈与税は相続税と併せて施行され、1,000万バーツを超える『子孫に対する』贈与資産について5%の税率で課税され、それ以外のものが受けた贈与資産については個人所得税(税率5%~35%)の対象とする見込みです。

理論上は公平なこれらの税法ですが、実際の施行がどのように進むかについては、今後の動向を見守る必要があるように思われます。