法務論点解説 :日給ベースの従業員に対する法定解雇手当

タイ労働者保護法により、事業者が日給ベースの従業員との雇用契約を会社都合で終了(定年退職を含む)する際には、フルタイム(月給ベース)の従業員と同様に、勤務期間に応じて計算される法定解雇手当を支払うことが求められます。日給ベースの雇用形態の場合、「勤務期間」は、実際に勤務した日だけでなく、原則として雇用開始以降の休日や勤務していない日も含んだ期間でカウントすることとされています。

設例

 A氏は、2019年6月1日に入社した。会社との雇用契約では、A氏は日給400バーツで週3日勤務と定められている。会社は6か月後 2019年10月31日付で、会社都合でA氏を解雇した。法定解雇手当はいくらか。

回答

 A氏は、週3日勤務だが、勤務しない週4日を含めて勤務期間を数える。よって、勤務期間は122日間になり、給与30日分が法定解雇手当となる。法定解雇手当の支給額は、解雇日の給与(400バーツ)30日分の12,000バーツになる。

日給ベースの従業員を雇用している企業は留意ください。

(参考 労働者保護法上の「勤務期間に応じた法定解雇手当支給額」サマリー)

勤務期間

法定解雇手当 支給額

120日~1年

給与30日分

1年~3年

給与90日分

3年~6年

給与180日分

6年~10年

給与240日分

10年~20年

給与300日分

20年以上

給与400日分

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 (2020年1月作成)

 

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