タイ税務改正動向 :新税務恩典IBCに関するアップデート

2018年10月にタイ内閣は、IHQ国際事業本部/ITC国際貿易センター事業に対して付与していた税務恩典を廃止し、新たな税務恩典International Business Center(IBC:国際ビジネスセンター)の導入を決定していましたが、その詳細は明らかとなっていませんでした。

2018年12月に税務局通達No. 674が発表され、IBC税務恩典の詳細が明らかとなりました。

1)   IBCの定義

 IBCとは、タイ国内及び国外の関連会社に対する下記のサービスを提供を目的として、
タイ国の法律に基づき設立され税務当局の認可を受けた法人とされます。

  • 経営管理、技術支援サービス
  • 資金管理/決済サービス(Treasury Center)

2)   IBC税務恩典の適用要件及び恩典の概要と、ITC/IHQ税務恩典との比較

IHQ/ITC

IBC

主な適用要件

最低資本金

10百万バーツ

10百万バーツ

最低経費支出

タイ国内での15百万バーツ以上の経費支出

タイ国内での60百万バーツ以上の経費支出(※)

従業員

-

IBC事業に従事する従業員が10名以上

(Treasury Center事業の場合は、5名以上)

 

 

 

IHQ/ITC

IBC

税務恩典

法人税

関係会社からのサービス収益

10%に減税

8-3%(※)に減税

関連会社からの配当

国外の関連会社からの配当は免税

免税

関連会社株式譲渡益

免税

適用無し

貿易取引収益

Out-Out取引収益は免税

適用無し

源泉税

海外への配当支払

免税

免税

海外への借入利息支払

免税

免税

特定事業税

Treasury Centerの収益

免税

免税

個人所得税

対象事業に関わる駐在員

15%固定税率

15%固定税率

(※)法人税率は年間経費支出額によって変動します。年間60百万バーツ以上の場合は8%へ、300百万バーツ以上の場合は5%へ、600百万バーツ以上の場合は3%へ軽減されます。

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 (2019年1月作成)

 

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