タイ税務改正動向:「Thailand 4.0」「Thailand Plus」関連税制優遇の閣議決定

2021年5月、タイ内閣はコロナ後の経済回復を見据えて、政府が推進する「Thailand 4.0」(※1)「Thailand Plus」(※2)パッケージへの更なる投資促進のため、同パッケージに関連する支出に対する税制優遇措置を閣議決定しました。

優遇措置の概要は以下の通りです。

1. Thailand 4.0人材開発プログラムへの寄付に対する税制優遇

  • 2021年から2022年12月末の間に、認定教育機関にて組成されるThailand 4.0人材開発プログラムへ支出した寄付金は、法人税計算上、支出額の3倍の損金算入を認める。また機器等の資産の寄付の場合は、対象資産の帳簿価格について法人税上の除却損を認識しないことを条件に、当該資産の市場価格相当のV及び法人税上の収益認識は免除される。

2. 生産拠点移転関連費用の税制優遇

  • 2021年1月から2022年12月末の間に支出した以下投資・費用に関して法人税上の優遇が与えられます。

         1) オートメーション(自動化)システムへの投資 ・・・投資額の2倍の減価償却費計上が可能

         2) 高度熟練人材の採用に関する費用・・・支出額の1.5倍の損金算入が可能

         3) 人材開発に関する費用・・支出額2.5倍の損金算入が可能

本優遇措置は、今後の詳細要件等を検討の上、施行される見込みです。

(※1)「Thailand 4.0」・・・「イノベーション」「生産性向上」「サービス貿易の拡大」をキーワードとして、持続的に付加価値を創造できる経済社会へと発展させることを目的とした一連の政策パッケージ

(※2)「Thailand Plus」・・・海外からタイへの生産拠点の移転の促進を図る一連の政策パッケージ

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(2021年6月作成)

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