タイ税務改正動向:新規設備投資に対する税制優遇(特別償却)

2020年6月、コロナ経済対策の一環として製造業の新規設備投資を促進するために、一定の条件を満たす新規設備投資について法人税計算上取得価格の150%の追加特別償却を認める勅令 (Royal Decree No.695) が発布されました。

   当該特別償却を適用した場合、最大で設備投資額の30%相当(特別償却150% * 法人税率20%)の法人税減税を受けることが可能となります。適用要件の概要は以下の通りです。

  • 対象となる機械・設備

・電力、ガス、燃料、風水力等を利用しエネルギーを発生・伝達・変換させて稼働する機械・設備。但し車両法で規定される車両等は対象外

・ 新品で購入しており(中古品は対象外)。リース・レンタルによる調達ではない

・自社利用目的での購入であり、リース事業等他者に利用させる目的ではない

・2020年1月~12月に購入している

・2020年12月末までに使用を開始し、または使用可能な状態である

・タイ国内に所在している

・全部または一部が、その他法人税上の優遇措置の対象ではなく、またBOIやEEC特別法等の法人税減免恩典の対象事業では使用されない

・既存の機械設備の資本的支出(使用可能期間を延長または価値を増加させる支出、会計上の固定資産に計上される)も対象となる。但し修繕費(通常の維持管理又は原状回復のための支出、会計上は資産計上されず、当期の費用として処理される)は対象外。

  • その他条件

・対象の機械設備に関する投資・支払い計画を作成し、歳入局へ提出すること(購入後の事後申請も可能)

・特別償却の対象期間の途中で対象資産の売却・破棄等を行った場合は、当該年度まで特別償却は有効とされる。

・本措置を利用したが、売却・破棄以外の事由により、機械設備が要件を満たしていないことが明らかになった場合、遡って無効とされます。

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(2020年9月作成)

 

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