法務論点解説:定年退職・早期退職に際しての退職手当

定年退職・早期退職の際の退職手当の支給に関するタイ労働法上の取り扱いを解説します。

    タイ労働法上、①雇用者は、就業規則等の社内規定、又は個々の従業員との雇用契約に定める年齢(定年)に達した従業員を退職させることができます。また、②従業員は、定年が定められていない場合又は定年が60歳超と規定されている場合、満60歳になる30日前より雇用主に退職の意思を通知し、その30日後に退職することが出来ます。

 ①②による退職は、いずれも会社事由による雇用契約の終了とみなされ、退職する従業員は勤務期間に応じて以下の法定解雇手当金を受け取る権利があります。

勤務期間

法定解雇手当

120日~1年

給与30日分

1年~3年

給与90日分

3年~6年

給与180日分

6年~10年

給与240日分

10年~20年

給与300日分

20年以上

給与400日分

 一方、①②の年齢に達する前に従業員からの申し出により早期退職する場合は、従業員事由による雇用契約の終了となり、上記の法定解雇手当を受け取る権利はありません。ただし、社内規定等や雇用契約において、早期退職の際の福利厚生やインセンティブが定められている場合には、それらを受け取る権利があります。

他のニュースレターはこちらからご覧いただけます

(2021年2月作成)

免責事項

本記事は、作成日時点でのタイの法律等改正動向や一般的な解釈に関する情報提供を目的としております。内容については、正確性を期しておりますが、正確性を保証するものではなく、また作成後の法律改正等により最新の情報でない場合もあります。本記事の利用は、利用者の自身の判断責任となり、利用により生じたいかなるトラブルおよび損失、損害に対してMazarsは一切責任を負いません。個別の具体的な案件を進める場合には、事前に専門家へご相談頂きます様、お願い申し上げます。