会計論点解説 :タイにおける中間配当について

タイにおいて、中間配当は十分な配当可能利益(利益剰余金)がある場合、取締役会の議決により行うことができます。

以下では中間配当の具体例について説明していきます。

【設例】

会社Aは、資本金5Mで2021年期末に3.5Mの繰越利益を有していました。2022年中に中間配当を実施する予定ですが、いくら配当が可能でしょうか?(利益準備金の積立はありません。)

【関連条文】

民商法典の1200条―1202条に以下のように規定されています。

第1200条 配当の分配は各株式に払い込まれた金額に比例して行わなければならない。ただし、優先株に関して別に定めている場合を除く。

第1201条 配当は全て総会の決議により行わなければならない。

②取締役は、会社の利益が配当可能である判断した場合、その都度株主に対し配当することができる。

③配当は利益以外から支払ってはならない。会社が損失を記録した場合、その損失が補填されない限り配当することはできない。

第1202条 会社は配当を分配する都度、会社が出した利益の少なくとも20分の1を、資本金の10分の1または付属定款の定めにより、それ以上の額に達するまで、準備金に充当しなければならない。

②株式が額面より高い価格で発行された場合、超過分は準備金が前項の額に達するまで準備金に繰り入れなければならない。

【結論】

上記に従って中間配当時には以下のような取り扱いとなります。

(1) 配当可能額としては2021年決算時の3.5百万バーツの中で行うことが、望ましいと考えられます。(*2022年中の利益が確実に計上できる場合を除き)

(2) 準備金として配当額の5%(20分の1)の金額175千バーツを積み立てる必要があります。

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(2022年9月作成)

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