タイ法務改正動向:BOI-IPO恩典の再開及び医療産業への新恩典

2021年1月にBOIは、IPO(国際調達事務所)恩典の再開及び医療産業向けの新恩典の設定に関する布告Notification No. Sor. 1/2021を発行しました。これらの恩典制度は、2020年11月にてBOIより発表がされていた新施策の一環であり、本布告により恩典の申請受付が正式に可能となりました。

本布告に定める恩典の概要は以下の通りです。

1. 高齢者介護および臨床研究事業に対する新たな投資恩典

対象事業

優遇措置

高齢者向けの病院

5年間の法人税免除

高齢者向け介護施設

3年間の法人税免除

医療品開発受託研究機関

8年間の法人税免除(上限額なし)

臨床研究センター

8年間の法人税免除(上限額なし)

2. IPO恩典の再開

 タイ製造拠点に原材料や部品等を提供する商社・卸売会社向けの投資恩典であるIPO(国際調達事務所:International Procurement Office)恩典が再開されました。IPO恩典では、タイ人スタッフ雇用要件が無いことから比較的小規模であり、かつ外資100%での商社・卸売会社の設立が可能となります。その他、条件を満たす設備輸入やタイで生産後輸出される製品向けの原材料の輸入関税の減免恩典が付与されます。

IPO恩典の主要な申請要件は以下となります。

1. 製造業向けの原材料、部品、半製品の調達事業であること

2. 倉庫を所有または賃貸して、ITシステムによる在庫管理を行うこと

3. 品質管理、梱包等の管理プロセスを有すること

4. 少なくとも1箇所以上のタイ国内業者を含む、複数の調達先より仕入れを行うこと

5. タイ国内向け又はタイ国外向けの卸売事業であること

6. 当該事業用に10百万バーツ以上の登録資本金を有すること

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(2021年3月作成)

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