タイ法務改正動向 : データプロテクションオフィサーの資格要件について【PDPA関連】

タイ個人情報保護法(PDPA)は2019年に発表されていますが(本年6月施行予定)、その41条で規定されるデータプロテクションオフィサー(Data Protection Officer : DPO)については、以下の義務と要件があります

1. DPOの義務について

個人情報保護法42条において以下のような義務が規定されています。

1)データコントローラーやデータプロセッサーに対してPDPAの遵守のアドバイス。

2)データコントローラーやデータプロセッサーが業務遂行においてPDPAを遵守していることの監視。

3)データコントローラーやデータプロセッサーがPDPA遵守上問題のある場合における個人情報保護委員会との連携。

4)職務を通じて取得した個人情報の管理と秘匿。

また、DPOの義務の細則が今後発表されることが予定されています。

2. DPOの要件について

いまのところタイのPDPAにおいてDPOの具体的資格要件は規定・発表されていませんが、少なくとも以下のような点に関する知識・経歴を有している必要があると考えられます。

  • PDPAに関する理解と、個人情報保護関連の職務経験。
  • その組織におけるデータコントローラーとデータプロセッサーの業務に関する知識と理解。
  • IT環境やIT統制、ITセキュリティに関する知識と理解。

その他、組織の業務や業務フローへの理解、および問題解決スキルも必要と考えられます。

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(2022年3月作成)

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